日々雑記

麦の光

やさしい人のこと

牛腸茂雄。36歳で夭逝した、背丈の低い写真家。
彼の写真を初めて見たとき、この人は、人が好きだと思った。幼い少女を撮っても、短いスカートを撮っても、しかめ面を撮っても、カップルを撮っても、無条件に "生" を肯定してくれていた。
 
そうして牛腸茂雄の写真を片っ端から見ていくうち、
たった一枚のセルフポートレイトを見つけた。
猫背で、落ち着かなそうに手を腰に添えている。
窓がやたら大きく見える。光が射している。
その写真の彼は笑っていなかったけれど、話しかけたら笑ってくれそうな気がした。
 
今日、帰り道に寄った書店で、彼の2番目の写真集『SELF AND OTHERS』を見つけた。
大切に抱えて帰ろう。
これは少しずつ世界が広がっていくことの素晴らしさを味わえる本だから。
 
 
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